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カツ具合について

いつもいつもAERA調のタイトルにしようと思っていると、内容書き終ってもタイトルが思いつかず、公開するのが2日後くらいになっちゃったりする事もあります。しかも考え抜いた結果がダダ滑りだったりしたら悔やんでも悔やみきれない。悔やもうにも思い出せない。このままでは本末転倒というか、なんだか自分で自分の首締めてる、とか思って、まぁ、特にAERA調じゃないタイトルでもタマに行くことにします。あしからず。

といいながら今回のタイトルは「カツ具合」。これもなんだか良く分からないか。
僕はなんとなくの雰囲気で発した言葉だったんだけど、いまいち説明が必要になるみたい。なのできちんと説明します。

2ヶ月くらい前になりますか、神宮にあるフットサル場でゲームをした後、腹が減ったので近くで何か食べようという事になり、すぐそばの、神宮球場の横、ゴルフ練習場とつながった感じのカフェみたいなところに入ることにしたのです。これは単なる先入観かもしれないんだけど、ゴルフ練習場のカフェっていうと、ハンバーグかカレーかスパゲティだろう、って思います。パスタではなくてスパゲティ。あ、あとバタートーストあたりもあるかな。実際に今までゴルフ練習場のカフェなんて行ったことないから、そんな風に思っていたわけです。「洋食の定番」みたいなもんがあるんだろうな、と。


それでみんなメニューをあれこれ見るんですけど、やっぱりハンバーグとカレーと、っていう感じだったんですね。僕は運動した後だったんで高カロリーを摂取したいと思ってチーズが載ってるハンバーグにしようと思いました。和風ハンバーグっていうのもあったんだけど、チーズのほうがゴルフ練習場のカフェっぽいかなというのもあって。

すると、メニューの中に「カツ定食」みたいのもあって。それを頼もうか悩んでる人がいたんですね。定食なんでバランスは良い。でも僕のアタマの中にはどうもゴルフ場のカフェでカツ、っていうのがイマイチ来ないっていうか。イメージし難かった。

だから、「(注文するかどうかは)『カツ具合』によりますね」って言ったんです。
そしたら「へ?『カツ具合』って何?」って。

「カツ具合」ですよ。その時、みんなは一瞬「カツの具合」つまり「カツの出来具合」とか「仕上がりの良さ」みたいなもんを想像して納得しようとしていたみたいなんですけど、そうじゃない。「カツ具合」そのものです。
まぁそりゃあ美味しいカツが出てくりゃあそれに越したことは無いけど、でも、ゴルフ練習場のカフェの場合、そこまで条件は整ってないと思ったんです。味とかそういう次元の手前の話。つまり「カツ具合」っていうのは、そもそも「カツっぽいかどうか」「カツらしさ」っていうことなのです。分かりましたか?

「カツ具合」さえよければ美味くても不味くてもいいんです。とにかく「あー俺はカツ食ってるんだ」という気持ちが重要。衣が多くて中味が薄っぺらのカツだとしても、それが「あーあるあるこういうダメなカツ」っていう、「カツのイメージ」に当てはまるものであれば。それは「カツ具合」の範疇ということになります。逆に「コロッケみたいな衣だな」とか、少し一般的なカツのイメージから離れたものは「カツ具合が良くない」という事になる。僕はこのゴルフ練習場のカフェでは、そういった「良くないカツ具合」のものが出てきそうなイメージがあったんですね。運動やって空腹の時に、そういった「良くないカツ具合」のものを食べると、つまりカツを食べた、っていう満足感を得られないわけだから、それは淋しいよな、って思ったのです。

たとえば「まい泉」のとんかつなんていうのは、「カツ具合最高」となるわけです。もう王道というか。あと誰だったか、自由ヶ丘のほうにあるとんかつ屋さんでものすごくアブラがたっぷりなんだけど全然しつこく無いところがあるって言ってました。おそらくそこも「良いカツ具合」でしょう。たっぷり油のしたたる感じが想像できます。最近人気の恵比寿の「キムカツ」はどうかっていうと、確かにウマいんだけど、ミルフィーユみたいな肉が「カツ具合」からは少し外れる。いや、ホントにウマいんだけど、上品なんだな。「腹7分目」くらいの上品さがある。実際もっと食えますけど。でもとにかく、本来の「カツ具合」からはちょっとズレてる。

それじゃあこういう話題の時には必ず出てくる目黒の「とんき」はどうなのよ、っていうことになるんですけど、僕はあそこは「カツ具合」は持ち出すべきじゃないと思ってます。まず「カツ」そのものが「カツ」じゃないと思うんです。カリッとしてる感じとか衣と肉のバランスとか。「とんき」にはカツを食べに行くというよりは「とんき」を味わうっていうか。それともうひとつ、あの注文システムに参加する楽しさっていうのもある。だから「とんき」の場合は「カツ具合」じゃ測れなくて、「とんき具合」って事になる。「いつもの顔と注文を覚えてるオバちゃんが今日は居ないな」って事になると「とんき具合」が減るワケで。そういう点からもちょっと「とんき」は特別です。

それで、その神宮のゴルフ練習場のカフェのカツの「カツ具合」。僕の心配も無駄に終って、それはそれは、ごくごく普通の「カツ具合」でした。いや、僕は直接食べてないから味は分かんないんだけど、見た目に関してだけ言うと、「カツ具合」のポイントは押さえていたんじゃないかと思います。

こんなこと書いてたら腹減ってきたのでもう終わりにしますけど、こんな空腹時こそ「カツ具合」みたいな視覚的な「具合」が重要なんじゃないかと思います。「カツ具合」の具合がうまく伝わるといいんだけど。

posted by tsukada at 21 / 09 / 2005  12:11
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