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自家使用する、わタクシー。

通常、タクシーの運転手といえばブレザーとかYシャツとかのカチッとした服装が定番ですが、この前すれ違ったタクシーの運転手がポロシャツに野球帽を被ってたんです。しかも真っ白い目立つやつ。ついでに言うと団塊世代特有のちょっと浅めに被る感じ。やけにカジュアルだねぇというか、少し引くかも、とか思っていたら、助手席前の表示が「自家使用」となっていました。

個人タクシーの場合、タクシーの車輛は仕事用でもあるけど自分の持ち物でもあるわけで、お休みの時にもそのクルマを使わなきゃならないってんで時々そういう「自家使用」のタクシーを見かけることはあります。
なぜか「自家使用」しているタクシーで見かけるのは比較的年配の方で、運転席に普段は運転手をしている(この日もプライベートとは言え運転手なワケだけど)旦那さん、助手席に奥さん、みたいな感じで乗ってたりします。
タクシーの後部座席に誰も乗らないで助手席に人が乗ってるっていう絵はやっぱりちょっと違和感があって一瞬動揺するんだけど、「自家使用」っていう表示で全て納得できちゃうのがスゴいなぁと思うのです。
ちなみにドイツのタクシーは複数で乗る場合は後部座席だけど一人で乗る場合は助手席に乗ることになっているので、ドイツ人は「自家使用」を見ても動揺しないでいられるかもしれません。


で、さっきの野球帽の「自家使用」の運転手の話に戻るんですが、その人は一人で乗ってたんですね。
乗ってたというか、運転してたんですけど。で、普通、運転手一人のタクシーが走っていたら「空車」じゃないかと思って手を上げちゃう人は結構居ると思うんですよ。上のランプが点いてないとか、もちろん「空車」じゃなくて「自家使用」って表示になってるとはいえ、結構「あ、あのクルマ(客が)乗ってないですよ」みたいな感じでそのタクシーをつかまえようとしちゃう。

だから、さっきの、一人で「自家使用」している運転手は、そういうややこしい状況への対策として、野球帽を被ってたんじゃないかと思うんです。つまり、いきなりタクシーの運転手が野球帽を浅めに被ってたら引くでしょう普通。たぶん。というかそもそもクルマの運転してる最中にそのオッサンが野球帽を被る必然性が全く感じられない。まず、雨降ってたし。

野球帽、しかも浅め、っていうのは、奥さんを助手席に乗せる必要もなく、しかも比較的遠くからでも「自家使用」なんですよっていうのをアピールするために考えた結果のアイテムじゃないかと思いました。個人タクシーもいろいろ大変ですね。

話は変わりますが昔、雑誌かなんかで、清志郎の老後の夢として、タクシーの運転手になって好きなブルースとかをガンガンかけて都内を走りたい、みたいな記事を読んだ気がします。清志郎がまだ自転車にハマる前の話ですけど、音楽と、あちこち移動するっていうのが好きな清志郎らしいなぁとか思ったりしました。
今回、喉頭がんで入院っていうのがものすごくショックですけど、とにかく今は治療に専念して、ブルースマンとしてまた戻ってきて欲しいなと思います。タクシーの運転手にだってまだなれるし!

・忌野清志郎 公式ホームページ『地味変』

posted by tsukada at 18 / 07 / 2006  23:55
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