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拘束のドローイング/Matthew Barney

行ってきました金沢21世紀美術館。はじめての金沢だったんだけど暑い!北陸特有のフェーン現象とやらでとにかく暑い。とにかく涼しい美術館へと直行すると、美術館の中にはたくさんの人が!わざわざ平日狙ったのに混んでる。。やっぱり夏休みだから仕方無いか。。。と思ってよく見るその行列を成しているのはご年配の方か家族連れ。マシュー・バーニーの客層にしちゃスゲェな。とか思って先頭を見てみると、そこは別室でやってる 『人体の不思議展』の入口でした。

思いっきり反対側のエントランスのほうが、『拘束のドローイング』の展示だったワケで。それにしてもどちらも身体的なテーマの展示と言えなくもないんだけど、こうも違うもんかねっていうのが見れたのがちょっと面白かった。


さて、展示を観る前に地下のシアターで『拘束のドローイング 9』の映像を観ました。去年ビョークと隠密に来日して撮ったとかいう映画約2時間半。当然日本的なものが出てくるので、日本人にとってはあまり馴染みのない風景を異世界として受けとめることのできた『クレマスター』シリーズよりはちょっと生っぽく見えたり、あるいは海外の人から見た日本観みたいなものも若干食傷気味だったりもしたり、ビョークの歌とかキャラの影響もあるのか、いくぶんポップだったり結構分かりやすいストーリーになっていた気もしたんだけど、それでもやってることは気違いで変態で、だけど、とにかく美しいしとにかく凄いっていう。だから見ちゃう。だから金沢まで来ちゃう。

映像を見終わって1階の展示室へ。これまでの『拘束のドローイング』シリーズ(No.1〜No.8)と、今回の作品(No.9)が混在しているだけどやっぱりパワフルなのは今回のやつですね。こっちで作ったワセリン彫刻のぶち蒔けてるやつとか、えびせん臭プンプンの龍涎香オブジェとか。壁を登って直接描いたやつとか。その場でしか見れないっていうことも含めて、展示空間を見事に自分のものにしちゃうこれらのインスタレーションがやっぱり面白い。壁に描いちゃったやつとか、展示期間終わったらやっぱり消しちゃうんだろうか。

てなワケで、マシュー・バーニーは面白いなっていうのは承知してますけど、だけど今回改めてスゲぇなと思ったのは、やっぱりこの人、ビョークでした。

映画の中のラブシーンというか抱擁シーンでのビョークたるや、ケモノ的な動き、舌使い、眼差し。ビョークにすっかりリードされて、バーニーなんかもはやタジタジのボウヤですよ。「性」なんかすっかり超越して、「生」のパワーに満ち満ちている。演技とかそんなんじゃなくて、「生」そのものが蠢いているのだった。

そりゃあずっと「身体」「生」とは何たるやを追い求めているバーニーだもの、虜になるのも分かるよな。

・DRAWING RESTRAINT OFFICIAL SITE (UNDER CONSTRACTION)


今日の一枚:拘束のドローイング9 サウンドトラック/ビョーク

posted by tsukada at 05 / 08 / 2005  01:34
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マシュー・バーニー:拘束のドローイング展 from : ART遊覧
映画『クレマスター』シリーズでも知られるアメリカの作家マシュー・バーニー。今回
at : 07 / 08 / 2005  21:19
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